「アンデッドガール」
第一話「いきなり不死身だった事」
  (1)
 目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。頭が猛烈に痛む。
なぜ、こんなところに居るのか思い出せないまま、私はぼんやりと天井を眺めていたが、しばらくして、自分の名前も思い出せない事に気付いた。
 これが記憶喪失というやつなのだろうか、しかし、それ以外のことははっきりと認識できていた。
私は、病人が着るような、頭からすっぽりかぶるタイプの服を着せられていた。
下着ははいておらず、スースーする。これは恥ずかしい、そういう意識もあった。
「実験体十三号、気分はどうだ?」
 男の声がした。そちらの方を向くと、壁につけられたスピーカーと、テレビカメラがあった。
「十三号、気分はどうかと聞いているのだ、答えなさい」
 私はその声を聞きながらごろんと横になった、ちょっと寒い、お腹へった、今日のご飯は何かな?
「こら、十三号、いいかげんに返事をしろ!」
「え、私、十三号って名前なんですか?なんだか変な名前、ちょっとダサすぎませんか?」
 ようやく自分のことを呼ばれているのに気付いて私は答えた。
「普通こういった状況では、もっと違った反応の仕方があるだろう。「あなたは誰?」とか、「ここはどこ?」とか、「私をどうするつもりなの?」とか、あーこらこら、そこであくびをしないように」
「だって、変な声色使うから、気持ち悪くって・・・」
「・・・なんかやりづらいな、一回殺してみていいですか?」
 スピーカーの向こうで男は誰かに聞いていた。
「え、殺すって、私を殺すの!何でよ!?」
「おまえが期待した反応してくれないからだ。それに、ちゃんと仕上がっているかどうか、どうせ試さなきゃならないからな、一回死んでくれ」
「えーっ、ちょっと待った、死んでくれって、それはひど過ぎ・・・」
 私の抗議を無視して、テレビカメラの横の壁から、機関銃の銃身が突き出し、次の瞬間、私は熱い衝撃を連続して受けていた。身体がベッドの上で跳ね回る。頭にがつん、と、強いショックがあって、意識が途絶えた。
「・・・あれ、え?生きてる。・・・そうか、夢か」
 私は目を覚まして、起き上がり、そして。
「うわ、なんじゃこりゃぁ!」
 血まみれで絶叫していた。私の着ていた服は、ぼろぼろになっていて、血でどっぷり濡れている。ベッドのクッションや、床、壁にも銃弾の跡があった。
「十三号、どうやら成功らしいな、どうだ、不死身になった感想は?」
「うおおおおっ、なんじゃこりゃあああぁ!」
 私はその声を無視して絶叫しつづけていた。
「・・・おまえな、もう二、三回殺すぞ!」
「それは嫌ですぅ!」
 私は、ぴたっ、と、叫ぶのを止めてちょっとかわいく言ってみた。瞳もウルウルさせてみる。
「そうだ、それでいいんだ、女の子はそうでなくっちゃいかん」
 男は満足したらしい。
「しばらくしたら、着替えを持って行く。着替えたら係員の誘導に従え」
 不死身になったらしい。何故だかわからないが、私は死んでも蘇る身体にされていた。
「あっ!」
 私は思わず声をあげていた。身体をどっぷりと濡らした血が、次第に消えてゆく。いや、私の身体に吸い込まれているらしい。むず痒いような、変な感触があった。次第にその感触が快感に変わり、私はベッドの上で身悶えていた。きっとテレビカメラで見られている。それなのに快感に身体が勝手に動いてしまう。
「うぁぁ、入ってくる、血が入ってくるよぉ」
全身をべっとりと覆った血糊を自分で身体に擦り込むようにしながら私は声をあげていた。数分後、あれだけ大量に私の身体を汚していた血は、跡形も無くなり、私は穴だらけの病人服を着てベッドに横たわり、荒い息をついていた。
 血の代わりに、別の液体が私の股間を濡らしていた。凄く感じてしまったらしい。
 しばらくして、ドアが開き、眼のところだけが開いた白い無菌服に身を包んだ男が入ってきた。
「これを着ろ。・・・どうした、早くしろ」
「じろじろ見られてると恥ずかしい・・・」
「わかった、向こう向いていてやるから、早くしろ」
 私は大急ぎで穴だらけの服を脱ぎ、男が持ってきた新しい服に着替えた。着替えが終わって、男の方を見ると、首をねじってこっちを見ている男と目が合った、しっかり見られていた。
「結構、胸あるんだな、毛も薄い。気に入った」
 私が何か言う前に、男はそう言った。私は一発殴ってやろうかと思ったが、変な事をするとまた殺されそうなので、ぐっと我慢した。
 男に連れられて入った実験室のような部屋には、三人の人物が居た。
一人は痩せ型、メガネ、薄汚れた白衣の典型的なマッドサイエンティスト、もう一人は高級そうな椅子に座り、黒い覆面をかぶった恰幅のいい男。
そして、その横にたたずむグレーのスーツの金髪美女。
 思いっきりお約束のキャスティングだった。
「どうです、苦節四年と三ヶ月、ようやく不死身の戦闘員が完成しました」
 苦節というには短過ぎるような気がしたが、このメガネさんにはつらく苦しい実験の日々だったのだろう、って、何?戦闘員?
「あの、戦闘員というと、奇声をあげてやたらとうろちょろするやられ役ですよね?」
「はあ、君は何を言っているのかな?」
 メガネさんにそう言われて、私も何でそんな事言ったのかわからなかった。昔の記憶の名残なのだろうか・・・変な記憶だ。
「成功率が低すぎますね、四百人近く失敗して、ようやく一人、しかも、何のとりえもなさそうな女の子では、商品化は無理ですわ」
 金髪美人が冷たい声で言う。悪かったな、何のとりえも無くて・・・。
「いえ、その点はご心配なく、この私が史上最強の戦闘マシーンに育て上げて見せます」
 わたしの後ろに立っていた男が言った。見るからに軍隊の教官タイプだった。
「そうです、教官に任せれば、この子を世界一危険な美少女殺人マシーンとしてデビューさせられます。ね、結構燃えるでしょ、このキャッチフレーズ」
 メガネさんはここぞとばかりにそう言って私を売り込む。デビューって、芸能界じゃあるまいし。
「ご主人様、いかがいたしましょう?」
 金髪美人は、覆面のおっちゃんに尋ねた。
「うむ、よきにはからえ」
 重々しく頷きながら、おっちゃんは言う。要するに「勝手にしろ」と言ってるのだ。

(2)
「おまえは、全くといっていいほど戦士としての素質が無い、しかし、人間死ぬ気になれば何でもできる。そしておまえは不死身だ。何百回か死んでいるうちに、きっと戦士として開花する」
 迷彩服に身を包んだ私の前で、同じく迷彩服姿の教官がそう言って私を見た。
 この人は、見るからに軍人さんタイプで、固そうな黒髪を短く刈り込んでいる。頑丈そうな顎、鋭い眼光。右目の下のナイフ傷。軍人さんしか出来ないタイプのキャラクターだった。
「では、最初の授業だ、かかって来い」
 そう言って、教官はファイティングポーズを取った。
「え、でも、格闘技なんかやった事無いんですよ」
「だから、かかって来い、じっくりこってりねっとりぐっちょり身体に教えてやる」
 なんかいやらしい言い方だったが、かかっていかないとまた殺されちゃいそうなので、いきなり股間を蹴りに行った。
「甘いぞ!」
 教官の声と同時に、側頭部に凄いショックがあり、わたしの首が「ぽきっ」と、いい音を立てて折れた、また死んじゃった・・・。
「・・・うっ、ああ、・・・ひどいよ、いきなり殺すなんて・・・」
「うむ、死亡から復活まで四十秒ジャスト。結構いい成績だぞ、十三号」
 満足そうに教官は言う。
「さあ、続きだ、かかって来い」
「いえ、だから、その前にいろいろ教えてくれないと、戦いようが無いんですけど・・・」
「文句を言わずにかかって来い」
 ダメだ、聞く耳持ってない、よーし、今度はタックルだ。結果はあっさりとかわされ、腕と首を極められた。ぎりぎりと、凄い力で関節が逆に曲げられる。
「まだまだ甘い。おまえは素人なんだから、もっと頭を使え、うん、いい揉み心地だ」
 私の腕を遠慮なくねじりあげながら教官は言う、ついでに胸もじっくり揉まれた。
「いやあ、痛い、痛いっ!胸は揉まないで、いやあ、そんな所つままないで、許してください」
 叫ぶ私の声に耳を貸さず、さらにひねられた腕が折れた。次の瞬間、激痛が、信じられないほどの快感に変わっていた。折れた腕の辺りから疼くような快感の波が押し寄せて来る。
「ふわぁ、あ、あ、やぁ、変なのぉ・・・」
「何だ、色っぽい声出して、腕を折られて気持ちいいのか?・・・データどおりだな」
 わたしの耳元で教官が言う。その指はいまだに私の乳首をつまんでこりこりしている。
「これならどうかな?」
 折れた腕がぐりっ、とねじられた。普通なら失神ものの激痛が、私には失神ものの快感だった。
「くわぁぁっ!」
 叫んだ私の股間が「ジュン」と濡れる。私は絶頂と同時に失神していた。
「ほら、起きろ」
 教官に頬を叩かれ、わたしは目を覚ました。折られた腕は治っていた。
「骨折からの再生は二十五秒か、失神するほどよかったのか?」
 私は、恥ずかしくて何も言えなかった。人前で絶頂、失神してしまったのだ。しかも腕を折られて。
「・・・おまえの身体は、特殊に改造されている。一定レベル以上の苦痛はしばらくすると快感に変換されるらしい。そうでなくては、死の苦痛に精神が持たないからな、では、快感はどうかな、ちゃんと感じられるかどうかじっくりこってり調べてやろう」
 教官の息が荒い、明らかに欲情していた。教官は、仰向けに倒れた私の上にまたがってきた、眼が怖かった。しかし、エッチな事をされている間は、殺される事は無いだろう。
「記憶が無いようだから、聞いても知らんだろうが、おまえは処女か?」
「だから、知らないって、あっ、やぁ、嫌!」
 いきなり股間を探られた、男物の迷彩服はあっさり剥ぎ取られ、さっき漏らした愛液で湿った下着の中に教官の指が差し込まれ、グニグニと動いている。私は恥ずかしさで必死に抵抗するが、全く動けなかった。クリトリスを探り当てられ、爪を立てられた、激痛で身体が反り返る。
「やあ、痛いっ、痛いのぉ、お願い、抵抗しないから、優しく・・・」
「それではつまらん、俺の煮えたぎる欲望は、おまえの抵抗を求めている」
 勝手な事を言いながら、教官は私を攻め立てる。苦痛の一歩手前、おそらく今の私が一番痛いと感じるレベルで一番敏感な部分をこりこりと引っかいてくる。私は下半身をよじって抵抗したが、どこに逃げても教官の指は追ってきた。やがて、指は膣口に荒々しくもぐりこむ。
「きゃぁ、痛い、ほんとに痛いの、いやぁ!」
 指がさらに奥までねじ込まれる感触があった。
「おっ、膜があるぞ、十三号、おまえ、処女だ!」
 とってもうれしそうな教官の声・・・えっ、と、言う事は、そこも何度でも再生するという事か、何回やられても、処女喪失の痛みが襲ってくるわけで、これは凄く憂鬱だった。
「それじゃあ、貫通式、行くぞオ!」
「うわぁ、痛っ、痛いっ、あ、あ、あっ、ああっ」
 教官の声と同時に激痛、数秒後にはそれが甘美な快感に変わっていた。私の上で激しく動かれるたびに、脳が溶けそうな快感が押し寄せて来る、腰が勝手に動いてしまう。
 しばらくの間、私は犯されているというショックと、我慢しようの無い甘美な疼きの板ばさみにあって意識が混乱したまま好きなように嬲られていた。
「さあて、それじゃあ、一番やりたかった事を試してみるか」
 そう言った教官の手が私の首を絞める。頭が破裂するかと思うほどの苦痛、それすらも数秒後には快感に変換されてしまう。私の膣が信じられないほど強烈に収縮した。
「おっ、おおおっ!凄いっ、絞まるっ、凄いぞっ、十三号!おまえは最高だぁ!」
 私は聞いていなかった。強烈な窒息感、死の一歩手前の苦痛が、ものすごい快感となって私を高みに押し上げていた。お腹の奥に熱いものが弾けるのと同時に、私は絞殺されていた。
 身体が勝手にびくびくと断末魔の痙攣をする、その内部にたっぷり射精された。
「ふう、最高だったぞ、おまえ、やっぱりあの噂は本当だった。凄くよかった、癖になりそうだぞ」
 私が復活すると同時に、教官はそう言って、私を優しく抱き締めてきた。妙に優しい目をしていた。私は凄い初体験のショックで呆然としていた。
初めてで、犯されながら絞殺されるなんて不幸すぎる。さらに私は生き返ってその事を思い出しているのだ、涙が出てきた。
「んっ!」
 いきなりキスされた。強烈だったが、どこか優しいキスだった、舌が吸い出され、優しく噛まれた。
震えるわたしの背中を教官は優しくなでてくれたが、私が抱きつこうとした瞬間に突き放された。
「今日はここまでにしておくか、明日はナイフコンバットの訓練だ、思いっきり切り刻んでやるぞ」
 教官はにこやかに告げた。やっぱりこの人は鬼畜だ、少し好感を持ち始めていた私の気持ちは一気に冷めていた。
 
(3)
 「はあ・・・」
 私は憂鬱な気分で食事をつついていた。ここでの食事は「軍隊式」で、窪みが一杯付いたアルミ製の大きなお皿に色々な料理をドボドボ入れてもらう方式だった。量は結構あって、味の方もまあまあだったが、私の憂鬱の原因は、この後の訓練だった。今日は何回ぐらい殺されるんだろう・・・。
 私は訓練の度ごとに、撲殺され、絞殺され、ナイフで切り刻まれ、射殺されていた。
昨日の訓練では火炎放射器を初体験させられた。自分の身体が焼ける臭いは二度とかぎたくない。
 今日は、自動小銃一丁で、戦闘ヘリとの模擬戦をやらされるらしい。
どうやら私の訓練というよりも、ヘリのパイロットに対人攻撃の経験をさせるためのようだ。
「よし、今日は楽しい対ヘリ戦闘だ、おまえはここから西に逃げる。ヘリは十五分後に追跡を開始する。発見されたら、遮蔽物を確保して徹底抗戦しろよ、どうせ逃げ切れないからな」
 教官はそう言って、私に自動小銃を手渡した。一ヶ月ほどの文字どおり死の訓練で、私は一通りの武器の操作を覚えていた、今ではいっぱしの戦闘少女だった。あまり嬉しくないけど・・・。
「がんばれよ、死ななかったら、ご褒美に優しく犯してやる」
 私はその声を背に、西へと向かって走り出した。一キロほど向こうから、深い森が広がっている。
 訓練のたびごとに、私は教官に犯されていた。何回やられても、私は処女のままだった。
 最近は絞殺されなくなったが、最初の頃は、私を絞殺してフィニッシュという究極に鬼畜なプレイの相手をさせられていた。今では、何回か死んだ後、普通にレイプされるだけだ。
 教官が新しいナイフを手に入れたときなど、たまに荒っぽく解剖されたりもする。
やっぱり私って不幸だ。
森に辿り着いてすぐに、ヘリがやってくるのが見えた。私は木が密集しているところに陣取り、自動小銃を構えて接近してくるヘリを待った。撃ち合ったら、絶対的に私のほうが不利だった。
相手は二十ミリのバルカン砲、こっちは五・五六ミリの自動小銃。破壊力も、射程も圧倒的に負けている。どうせ二十ミリ弾に引き裂かれるなら、一矢報いてやりたかった。
ヘリには体温感知装置があるのか、わたしのいる方に一直線に飛んでくる。余裕を見せるためか、まだ発砲してこなかった。すぐ目の前、百メートルほどのところでホバリングして、ゆっくりとバルカン砲をこっちに向けた。私はローターを狙って撃ちまくる。直径一メートルほどの木の陰に居るので、すぐにやられる事は無いだろう。ヘリは私の攻撃を避けるように右に大きく動き、撃ち返してきた。
あっという間に私は二十ミリ砲弾の爆炎に包まれた。まだ生きているのが不思議なぐらいの爆発が周囲で連続し、太い木がこなごなになってなぎ倒される。
 私は確実に迫り来る死の予感におびえながら、必死に銃撃を加えつづけた。
ついに私の身体を二十ミリ弾の爆発がとらえた。身体があっさりとちぎれる感触。それが凄まじいエクスタシーの波となって私の意識を飲み込んだ。
「十三号、起きろ、戦闘開始から一分十二秒。結構がんばったな」
 ようやく再生し、よろよろと起き上がった私に教官が声をかけてきた。
 私が再生する場合、必ず頭がある方が再生する。バラバラになった場合も、頭部から再生し、他の破片は跡形も無く溶けてしまう。
今回は身体が大きく二つにちぎれたので、再生した私は、上半身はぼろぼろの迷彩服、下半身は裸だった。この姿に欲情した教官に、地面に押し倒された。
「今回は、昨日よりもがんばったから優しくしてやる」
 教官にいきなり股間に顔を埋められ、激しく舐められて、私は細い声を漏らす。
昨日は確かに戦闘開始三十秒足らずで火炎放射器の餌食になってこんがり焼かれてしまった。
「今日はお互い口の訓練だ、しっかり舐めろよ」
 教官のものが口にねじ込まれる。初めての経験だった。私は慣れないながらも必死に舌を動かした。今日の教官は、従順な私を求めているらしい。この人の気分によって、激しく抵抗する事を求められる事もあった。そういう時は、本当に「死ぬまで」犯された。
「じゅるっ、じゅるっ、ちゅうううっ、ちゅば、ちゅばっ」
 教官ははしたない音を立てて私の性器を舐めまわし、吸っていた。私はめったに与えられない「普通の」快感に酔わされながら、教官のペニスをしゃぶっていた。
「んぢゅっ、ちゅばっ、じゅるっ、ちゅうううっ、ごくん、ふう、十三号、おまえもしっかり吸うんだ!」
 思いっきり吸われて気が遠くなっていた私に教官が命令してきた。
「んふぁ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ・・・」
 しばらく吸い続けていると、いきなり喉の奥まで挿入され、そこで射精が始まった。私の喉が勝手にごくごくと動き、出されたものを飲み下してゆく、苦しかったが、絞殺よりましだった。
「よし、全部飲んだな、おまえにしては上出来だ」
 こんな戦闘技術以外の事で誉められてもあまりうれしくない。
「今度はこっちで出してやる」
 いきなり挿入され、処女を奪われた、何十回目かの喪失の痛みが、すぐに快感に取って代わる。
「痛っ、うぁ、あっ、あっ、はあああぁん」
 激しく動かれ、かき回されるたびに快感が蓄積されてゆく、腰がビクン、ビクンと痙攣する。
「今日は殺さないからな、安心して快楽に溺れていいぞ」
 私の胸を激しく揉みながら、教官は彼にしては優しい口調で言った。
この人はよくわからない。優しくしてくれて、好きになりそうになると、途端に鬼畜な事を仕掛けてくる。私は一度も普通の女の子として愛された事が無い、今日はそのチャンスだった、絶頂が近付いてくる。普通の絶頂を味わうのは初めてかもしれない。
「ん?おわぁっ、危ない!」
 いきなり教官が飛びのいた。快楽でぼーっとした眼を開いた私の上に、二十ミリ弾で幹を大きくえぐられ、倒れる寸前で止まっていた直径五十センチほどの木が何かの拍子でバランスを失い、倒れ込んできた、「ぐしゅっ」という嫌な音とともに意識が途切れた。
「おい、十三号、起きろ、全くやばかった。後ろで何か音がするから、振り向いたら木が倒れてくるんだもんなあ、戦場で油断は禁物だな、はははっ」
 倒木に潰され、やっとの事で復活した私に教官は妙にさわやかな口調で告げた。
 わたしはやっぱり不幸だった。
                                             続く
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