「ダンスの前に…」

 「翔子! 翔子っ! どこにいるの、さっさと来なさいっ!」
 苛立ちを含んだお嬢様の声が聞こえてきた。
「はっ、はーい、只今参ります〜」
 床をモップがけしていた小柄な少女が、可愛い声で応えながら、声がした二階への階段をパタパタと急ぎ足で駆け上がっていく。
 くりっとした人懐っこそうな目が印象的な、ショートカットがよく似合う少女である。黒いベルベット地で作られた、典型的なメイド服と、パリッと糊の利いた、純白のエプロンとヘッドピースを身に着けている。
 お嬢様の声は、二階の衣裳部屋からしたようである。この屋敷は部屋数二十ほど。建物の規模としては、ギリギリ「豪邸」の範疇に入るであろう。
 一代で富を築いた商人の住居としては、まあ、分をわきまえた邸宅と言えた。
 声を上げてメイド少女を呼んだのは、二代目を継ぐ予定になっているお嬢様である。
「お待たせしました〜」
 メイド姿の少女――翔子は、かすかに息を切らせながら衣裳部屋に駆け込んでいく。
「遅いっ! 呼んだら十秒以内に来なさい!」
「はいっ。申しわけございません。――あの、お着付けのお手伝いですか?」
 不機嫌そうな表情のお嬢様に詫びつつ、翔子は室内の様子をざっと見渡した。
 三面の壁が大型のクローゼットになっている広い衣裳部屋の床には、スタイルも色も様々な、十数着のドレスが散乱している。
 そのどれもが、一人娘のために、旦那様が特注した高級品であった。それを片付ける手間を思い、メイド少女はお嬢様に聞こえないように小さなため息をつく。
 クローゼットのドアにはめ込まれた姿見の前に、どうやら今夜のダンスパーティーに着ていくドレスを身体の前に当てたお嬢様が、白いレースの下着姿で立っていた。
 白く滑らかで、染み一つ無い背中、キュッと引き締まった小振りなヒップのライン、見事にくびれた胴、すらりと長い脚…非の打ち所の無いプロポーションを持った後ろ姿が、メイド少女の目を鮮烈に射る。
 お嬢様が今夜の夜会に選んだのは、鮮やかな赤を基調に、裾の部分に金糸で控え目な刺繍を施したチャイナドレス風の舞踏服であった。
 着る者のプロポーションを際立たせるような、タイトフィットのデザインであるが、サイドに入ったスリットのおかげで、動きに支障は無い。
 お嬢様は、栗色の髪を腰の辺りまで伸ばした色白な少女である。目付きがややきついが、誰が見ても「美しい」という第一印象を抱くであろう。
 このドレスをまとってパーティーに参加すれば、多くの男女の目を惹くことは間違いなかった。
 彼女のような上流階級の人間にとっては、ダンスパーティーで目立つことは、己の存在を誇示し、新たなコネを生み出す為にも必要なことなのである。
「着付けを手伝いなさい」
 お嬢様に命じられるとおりに、翔子はドレスを着るのを手伝ってやる。背中のジッパーを上げると、最上級のシルクは、均整の取れた美少女の肢体と一体化したかのように、身体の起伏を映し出す。
「今夜はこれを着ていくわ。……でもね」
 鏡に映る己の姿を満足げに見つめつつ、含みのある口調で言ったお嬢様は、身体をくるりと回し、メイド少女の方に向き直った。
 身体にぴったりと密着した深紅の布地に包まれた、絶妙のプロポーションが、翔子の視線にさらされる。
 ふっくらと盛り上がった形のいいバスト、見事なくびれを描き、細く引き締まった腹部、腿から躍動感のある曲線を描いて繋がった小振りなヒップライン、そして……。
「ね、こんなになっちゃってるの。この状態じゃあ、ダンスに出られやしない」
 少しうつむき加減に自分の股間を見下ろし、ちょっと憂鬱げな表情を浮かべつつ言ったお嬢様のドレスの股間は、まるでテントを張ったように盛り上がっていた。
 布地を突き破らんばかりにそそり勃ったそれは、本来なら男性が持っているべき器官が完全勃起した状態のシルエットをくっきりと浮き上がらせている。
 お嬢様は、女性でありながら、男性器も併せ持った両性具有体なのであった。
「ね、わかるでしょ? おまえのやるべきことが……」
 ドレスのスリットをはだけ、テントを張ったパンティの布地をあらわにしたお嬢様は、かすかに頬を染めながら言うと、翔子に誘うような視線を向ける。
「はい……失礼いたします」
 メイド少女は、お嬢様の前にひざまづいた。どうやらドレス選びの前に入浴したらしく、香水入りのシャワーソープのいい香りが、ふたなり少女の身体からふわりと漂ってくる。
「……あの、どうすればよろしいでしょうか?」
 その日の気分によって、お嬢様が好む愛撫が違うため、おずおずとした口調でメイド少女は尋ねた。くりっとした目で見上げながら命令を待つ翔子の表情は、仕込まれた芸を披露したがっている仔犬を思わせる。
「そうねぇ、今日はお口で最後までしなさい。手は一切使っちゃダメよ」
 興奮でかすかにかすれた口調で、お嬢様は命じてきた。これから行われる甘美な奉仕への期待に、色白な身体全体がほんのりと桜色に染まっている。
「はい……」
 翔子はパンティの縁をそっと咥えて引っ張り、布地を窮屈そうに押し上げた勃起を解放してやった。
 下着の圧迫を逃れた肉柱は、翔子の目の前に、ばね仕掛けのような勢いでそそり勃つ。ピンと張り詰めて反り返った、透明感のあるピンク色の胴の頂点には、バラ色に色付いた亀頭が乗っている。敏感そうな鈴口はキュッと引き締まり、カリ首の張り出しも見事だった。熱く猛った勃起の体温が頬に伝わってくる。
 牡器官の放つ獣っぽい臭いはほとんどせず、官能を誘うような甘い花のような匂いが、その肉柱からかすかに香っていた。
(お嬢様のモノ……綺麗だ……)
 本来なら女性の身体には存在しないはずの器官が、美少女の股間からそそり勃っている様子に、翔子は妖しく倒錯的な美しさを感じてときめいてしまう。
「……さあ、始めなさい。どこが感じるのか、おまえには良くわかるでしょう?」
 意味ありげな口調と目つきで翔子を見下ろしながら、お嬢様は奉仕を催促してくる。
 メイド少女は勃起の胴に顔を寄せ、ふっくらとした唇で、熱い肉柱にキスをした。唇を焼きそうな熱と、ビロードのように滑らかな肌の感触が伝わってくる。
「んっ!」
 勃起に触れてくる他人の体温に、お嬢様は小さな快感のうめきを漏らし、切なげに眉をひそめた。無意識の内に腰を突き出し、勃起をより強く翔子の唇に押し付ける。
 チュッ、チュッ、チュッ、と小刻みについばむようなキスを繰り返し、ふっくらと浮き上がった輸精管のシルエットを時折甘噛みしながら、勃起の胴を這い上がった翔子の唇は、敏感そうな裏筋にチュプッ! とひときわ派手な音を立てて、横咥えに吸い付いた。
「はうっ!」
 息を呑むような鮮烈な刺激に、お嬢様が息を呑み、身を強張らせる感触が伝わってくる。(お嬢様、感じてくれてる……)
 胸の高鳴りと、己の淫欲の昂ぶりを感じながら、メイド少女は舌を動かし始めた。
 ピンク色の舌を小刻みに動かして丹念に裏筋と亀頭部の接点を舐め上げ、ゾクゾクするような快感を主人のペニスへと送り込んでいく。じっくりと唾液を塗り込めるようにして舐め続けると、こぼれた唾液にコーティングされたペニスの胴はぬらついた光を放ち始める。
「そっ、そうよ……そこッ! 翔子、そこをもっと舐めなさいっ!」
 ペチャペチャと唾液音を立てて奉仕を続けるメイド少女に、うっとりとした口調でお嬢様は命じた。体温が上昇し、身体がしっとりと汗ばんでくる。
 ヒクヒクとしゃくりあげるペニスの脈動も、次第に大きくなってきた。
 鼻先を叩くようにしゃくりあげる勃起の動きを巧みに利用しながら、翔子は亀頭部を中心にじっくりと舌戯を凝らし、ピンクの肉柱を、これ異常ないほどの硬さとサイズにそそり勃たせる。カリ首を舐めなぞり、右に、左に首を傾けて、鈴口によって二分された亀頭の片側だけを丹念に吸い、舐める。バラ色の果肉に舌をぴったりと貼り付かせ、首のストロークも生かして舐め上げると、ビクン! ビクン! と大きく脈打ったペニスの先端から、水あめのように濃厚な先走りが噴きこぼれ、きらめく糸を引きながら、床へと垂れ落ちていく。
「んっ…あうっ…んふっ…んはぁぁ…」
 声を押し殺して喘ぐお嬢様の顔を時折見上げてご機嫌を伺いながら、翔子は敏感な尿道口への愛撫を巧みに避けて、両性具有の女主人に快楽を注ぎ込み続けた。
 奉仕を続ける翔子の舌に、鈴口からこぼれだした先走りがねっとりと絡みつく。
(あ……美味しい……)
 うっとりと頬を染めた翔子はコクンと喉を鳴らし、ふたなり少女の特濃の先走りを唾液と絡めて飲み込む。その濃度と量は、お嬢様の快感がとてつもなく深く、強いものであることを物語っていた。
 メイド少女は小さな唇を一杯に開き、ルビー色の亀頭を口一杯に頬張ると、亀頭の表面に舌をぴったりと貼り付かせながらゆっくりと頭を前後させて扱きつつ吸引する。
 尿道内に溜まっていた濃厚な我慢汁がちゅるちゅると吸いだされていく快感に、お嬢様の身体が強張り、震えた。
 コクンと喉を鳴らして口腔内の粘液を飲み込んだ翔子は、荒い鼻息をお嬢様の下腹に吹きかけながら頬をすぼめて数回吸ってから亀頭を吐き出し、唾液と先走りの混合液にぬめ光る亀頭部に丹念に舌を這わせる。
 ピンク色の小さな舌が、肉の実の表面を磨き上げるかのように這い回り、鈴口をすくい上げ、裏筋を何度もなぞる。
 ピチャピチャという唾液音と、翔子の甘くかすれた鼻息、そして、お嬢様が切れ切れに漏らす快楽の声が、衣裳部屋に響く。
 すっかり奉仕の虜になった翔子は、カリ首を小刻みに弾き上げるように舐め上げ、鈴口に舌先を浅く挿入してクチュクチュとしばらく掘り返した後、再び吸い込んで強く吸う。
「んっ、んふううんっ……んはぁぁ……くっ……んひっ!」
 口腔内でペニスがひくついてピュルピュルと濃い先走りを漏らし、頭上からは甘くすすり泣くような、お嬢様の快楽の声が聞こえてきた。
 次第に切羽詰ったものになっていくその声と、いまだにパンティの布地に隠された女性器から溢れ出した淫蜜の甘酸っぱい芳香が、メイド少女の淫欲をさらに煽る。
 小さな布地の吸水能力を超えて溢れた女蜜は、紅潮した滑らかな内腿を濡らしながら滴っていく。
 小刻みに震える勃起の様子から、絶頂が近いのを悟った翔子は、亀頭を吸うピッチを早めながら舌先を鈴口にねじ込んで敏感な内部の粘膜をかき回し、快感を限界まで高めていった。膝がガクガクと震え出し、ペニスのひくつきがさらに大きくなる。
「んっ……いっ、イくわよっ! 翔子……でっ、出ちゃうっ! んきゅうううううんっ!」
 お嬢様が泣くような声を上げ、身を強張らせた。
 翔子の口腔内で亀頭がひときわ大きくふくれあがり、次の瞬間、力強く断続的な脈動とともに、熱い濁流が大量に迸って喉奥を打つ。
「んんんっ!」
 灼熱の絶頂体液が喉に絡みながら下り落ちていく感触にうめき、プルプルと身震いしたメイド少女は、コクコクと喉を鳴らし、口腔内にぶちまけられた白汁を一滴残らず飲み干していく。激しく跳ね回るペニスが口から飛び出してしまわないように、唇でカリのくびれをしっかりと締め付けて、脈動のリズムに合わせて吸い上げ、射精の快感をさらに高めてやる。
 放出のための深く大きな脈動が起きるたびに、強烈な快感に貫かれたお嬢様の身体はビクン! ビクン! とのけぞって反応した。
 長々と続いた射精液を全て飲み干し、隅々まで舌を這わせて残滓を舐め取った翔子は、ようやく昂ぶりの治まったペニスから口を離し、かすかに媚びの混じった表情でお嬢様の顔を見上げる。
「はぁ、はぁ、はぁ……なかなか良かったわよ、翔子。今度はもっと上手にご奉仕できるように鍛錬しなさい」
 お嬢様らしいねぎらいの言葉に、メイド少女はうれしげな表情を浮かべて頷いた。まだ喉に濃厚な白濁液がこびり付いているのと、ふたなり少女の射精を口腔内で受け止めた興奮で頭がぼーっとしているために、適切な言葉が思いつかないのである。
「あんっ、びしょ濡れになっちゃった……こっちも綺麗にするのよ」
 ソファーに浅く腰を下ろし、濡れたパンティをもそもそと脱ぎ去ったお嬢様は、淫蜜に濡れ光る秘裂への奉仕も要求してきた。
「はい。失礼いたします」
 心もち両脚を開いたお嬢様の股間に這い寄った翔子は、濃厚な淫蜜の香りを放つ秘裂に舌を這わせる。
 チロリ、チロリと舌を動かし、サーモンピンクのラヴィアを濡れ光らせる甘酸っぱい淫蜜を舐め清めていく。
「んっ、いいよ……私の蜜は美味しいかしら?」
 絶頂直後の敏感な肉ヒダを優しく舐めそよがされたお嬢様は、うっとりと目を潤ませ、股間で奉仕を続けるメイドの頭を撫でてやった。
「はい、美味しいです。いい香りがして、ちょっと甘酸っぱくて……」
 上目づかいで見上げながら翔子は告げる。
「そう……それじゃあ、ご褒美を上げましょうか。もうこんなにコチコチにして、ふふっ」
 お嬢様はすらりと長い脚を伸ばし、足指の先でメイド服の股間をまさぐった。
「ひぁ! ダメですっ! お嬢様、それはぁ!」
 翔子は声を裏返らせて逃げようとする。
「逃げたらダメ! 奉仕を続けなさい!」
 強い口調で命じたお嬢様は、メイド服のスカートを巧みにたくし上げ、白い足指で少女の股間を探る。
 白い清楚なショーツの表面には、控え目なサイズながらも、硬く勃起した男性器のシルエットが浮かび上がっていた。
 ペニスしかないお嬢様のそれとは違い、睾丸もそなえた完全な男性器である。翔子は本名を翔といい、メイド少女の姿をしているものの、実際の性別は少年であった。
「すっかり勃起してるじゃないの。男の子のくせに、私のペニス舐めてて勃起しちゃったのね。ほれほれ、ご褒美よ」
 お嬢様は巧みに足指を蠢かせて、メイド姿の女装少年のペニスを布越しに弄ぶ。
 細身ながらも木の棒のように強張った胴の部分をこしゅこしゅとしごき上げたり、亀頭部を押し揉むように踏み転がしたり、睾丸を足の甲ですくい上げるように刺激したり……。
 その愛撫の巧みさは、己も同じ器官を持っているからであろうか。
「ああああっ、らめぇっ! お嬢様ぁ、そこはグリグリしちゃらめれすうぅぅっ!」
 敏感な亀頭部への容赦の無い刺激に舌をもつれさせながらも、メイド少年は逃げようとしない。なかなか見上げた忠誠ぶりであった。
「何? もう出そうなの? いいわよ、出しなさい。そのかわり、ちゃんと舐めて綺麗にするのよ」
 そう言ったお嬢様の足指が布越しに亀頭を捉え、揉み潰すように蠢かせた。はちきれそうな肉の実が強烈な刺激にさらされ、ダイレクトに射精中枢にまで到達する。
 ペニスの根元に制御不能の痙攣が起き、鳥肌立つようなむず痒い快感を伴って、熱い絶頂粘液が尿道内を駆け上がってきた。
「ひっ、あっ、あっ、ああぁぁぁぁぁっ!」
 強烈な刺激にのけぞり、絶頂の声を上げた翔子のペニスがショーツの中で白い爆発を起こす。
 布地を破らんばかりに突き上げて、ビクンビクンと大きくしゃくりあげる勃起のシルエットの先端から、布地を貫いて白い粘液が噴出し、亀頭を嬲るお嬢様の足指に絡み付く。
 射精中の亀頭部を足指で掴むようにしてグチュグチュと容赦無くこね回されると、少年は声無き悲鳴を上げてのけぞった。
 磨き抜かれた床に点々と白い粘液の雫を散らし、衣裳部屋を青草を思わせる若い精の匂いで満たして、長々と続いた射精はようやく治まる。
「あらあら、いっぱい出したわねぇ。足がドロドロ……綺麗にしなさい」
 白い粘液がこびり付いた足先が、少年の口元に突き付けられた。
「はい……」
 翔子は小さな舌を出してお嬢様の足をぬめらせる己の体液を健気に舐め取っていく。
「いい子ね、足が終わったら床に滴った分も綺麗に舐め取るのよ。おまえは最高のメイドだわ……ダンスが終わったら、またご奉仕させてあげるわ」
 足指に絡み付く柔らかな舌の感触に、心地良さげに目を細めながら、お嬢様は満足げな笑みを浮かべていた。

 



 
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